8 三浦しをん/格闘するものに○

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)

本が読みたいという欲がむずむず。やわらかくて温かい恋愛小説が!読みたい!ということでこちらを再読。
相変わらず温かかった。
2度目かな。ニキちゃんがすごくすごく好きだなぁと思う。しをんさんの作品に出てくるひとたちはみんないとおしいと思わせる何かを持ち合わせていて、そこがとても好きだな、と思う。
谷沢のことがあまり好きではないけれど、旅人のこととなると冷静さや落ち着きを失うところが、滑稽でいとおしいなと思う。ニキちゃんはまっすぐで純真ですごくかわいいなぁっておもう。可南子が、ニキちゃんの恋心を混乱しながらも受け入れ受け止めて、それでも理解はできるわけではないと判断を下す、その冷たさのなさ、温かさがすごく好きです。
初めて読んだのは去年の秋。その時の感想も一緒にぺたり。

これは多分わたしにとって、江國香織の「ホリーガーデン」や「流しの下の骨」と同じく1年に一度は読みたくなる、何度も何度も繰り返し読んで大切にしたいものがたりのひとつ、になっていくんだろうなという予感を覚えた。

祖父と呼べるくらい年の離れた脚フェチのおじいちゃんに大切に大切にされるってどういう感覚なのかな。

ちょっと不思議ですごく温かくて、理解が出来る出来ないとかそういうのより、もうちょっとファンシーなお話だなという感じを受けた。ちょっと浮遊しているというか、現実味がないけど非現実的と言うのともちょっと違う。非日常ってのもちょっと違うくて、かわいらしい感じがありファンシーという言葉がしっくりくるのだが、べつにファンタジーなどではなく恋愛小説に分類されるお話である。