27 三浦しをん/まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒

長くなってしまったー。
この人の作品は映像化にぴったりなんだ!と思った。三浦しをん2冊目ー。秘密の花園は、不透明で濃密で甘い、とろりとした蜜のようなイメージ。輪郭がはっきりしないけど、内に秘めてることをそっと曝け出してみるような感じがした。で、まほろ駅前〜は、もっと単純で豪快で複雑で繊細な感じ。言葉が対になってしまってるあたり、矛盾してるけど、割と自分の中では正しい。
秘密の花園は、それこそ女子高物って感じがする。でもその言葉はあんまりしっくり来ないー。セーラー服を着て、きっちりと校則が定められた由緒正しき名門女子高に通っている女の子たちが、そっと唇に人差し指をあてて、微笑むのが秘密の花園。で、ごみ溜めみたいな汚いけれど居心地の良い部屋で、くだらない話をつまみに酒をのんで煙草を吸って、フと魔が差したみたいに自分の中でずっと滞ってた核になりえそうな物事を思い出して嗤うのがまほろ駅前〜。なんて言うか、作品のイメージが自分の中ですごく具現化しやすいというか、描写力がすごいんだろうなー。
そういうのを考えてた。それが楽しい。秘密の花園を読んだときは、「んー、これだけ?」て感情がぬぐえなかったけど、他の作品も読むことで、それが良いのだと気づく。不思議な作家さんー。これは嵌りそうだわ。