29 江國香織/流しのしたの骨

流しのしたの骨 (新潮文庫)

流しのしたの骨 (新潮文庫)

江國さんの文章は、文字のバランスがすごく良いと思う。読みやすいし、見る分にもなんだか、全てを表してる気がする。ゆったりしていて、とろりとしていて、白いヴェールに包まれている、というのが江國さんの小説のイメージ。結構ずっとそうだなぁ。変わらない。物語の中の幸福感が過不足ないというか、すごくリアルさを伴ってるんだけど、フィクションだよね、と思わせる幻想的な雰囲気。なんか、普通なのにすごい、と改めて考えると思うね。個人的には深町直人が素敵過ぎて、うっとりする。なんていうか、健康的で健全な感じ。でも、健全ってなんだ?…健康的で、まっすぐだけれど柔軟性がある、タフに見えないけれど、タフな人。お、こっちのほうがわかりやすい。