61 島本理生/あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまで

朔に、お父さんと田島君と鹿山さんがいて良かった。朔がきちんと考えられる子で良かった。
最初から最後までとにかくとにかく苦しくて、だから早く読み終わりたかった。こんなにも救いのない物語を読んだのは久しぶりだ。好きな小説は何回も大事に大事に読み返したいわたしだし、大好きな島本さんの作品だけれど、この物語はしばらく読みたくない。
片親の子供が出てくる物語にはどこか必要以上に感情移入してしまってしんどくなる。なんだこのぐったり感。泣けないくらいの哀しみと絶望。こんな読後感は正直嬉しくないけど、やっぱり島本さんはすごいと思う。