75 本多孝好/正義のミカタ-I'm a looser

正義のミカタ―I’m a loser

本多さんも、珍しく全作品追いかけている作家さん。ちなみに、今、他に全作品追いかけてるのは、伊坂さんと島本さんと中村さんだけだったりする。恩田さんやなんかは、著作が多すぎてまだまだ。全部読む気は、ある。
まず、舞台となる正義の味方研究部も、そのキャラも、そのずれ具合が、どっかでなにか似たような文章を知ってるなぁと思ったら中村航さんだった。なるほど、と。確かに、似てるっていうか、雰囲気近い気がする。
蓮見が殴られたり蹴られたりするシーンとか、痛々しいのに、痛くない。描写は確かに痛々しいのに、文章が、小説が纏っている空気は、ものすごいほのぼのしているというか、のんびりしているというか、マイペース。それはどこか滑稽だけど、そういうところが好きなのだ。さくさく頁を捲りたくなる疾走感のあるストーリーもいいけど、そうできるシーンをそうしない*1ところがいい。
相変わらずキャラがひとりひとり魅力的。でも女の子みんなかわいかったり胸でかかったりすんね。いや、全然いいけど。トモイチの単純さはとても愛せるなぁと思った。かわいい。

*1:意図的かどうかは知らないけれど