76 よしもとばなな/王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

言葉に出来ないものをどうにか言葉にしようとする。ばななさんの小説はいつもそんな感じ。

とてつもなくロマンチックなのだなぁと今更思った。
誰かとの出会いを、運命だと思えることや、全ての物事は起こるべくして起こった、とかそういう考えかたや感じ方、それはとてもロマンチックだ。そういうのはキライじゃないし、信じられるということはとても素敵だと思う。
雫石の考え方を思うことは出来ても、実践することはなかなか難しいし、ああやって生きていけることは、しんどいけれどきっと楽しいだろうなと思う。まねしようとしたってできることじゃない。
ばななさんの軸にそういう考えや思いがあるから、ばななさんの小説はいつ読んでもぶれないなと思う。
しんどくなるような、哀しいことやつらいことも、それは自然の摂理だと理解できるから、自分をほんとうに見失ったりはしない、それは全部、彼らの強さゆえなんだなぁ。