120 江國香織/薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/04/26
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
でも好きで、ときどき読みたくなる。自由な衿が好きだし、衿が好きな土屋もとてもいいと思う。衿の、土屋の好きなところを羅列するところが、自分の大好きなものだけを口にするところが好きだ。衿はわかりやすいし、はっきりしてて、しなやか。
いわゆるヤンデレ、というものが好きなのだけれど(好きすぎて病んじゃう、って意図です。わたしは。)桜子は完全にヤンデレ的なのだけれど、わたしは、ヤンデレで、それを受け入れてくれるひとがいるとか、ひとりでぐるぐるしているのが好きだ。相手の妻にそれを告げるなんていう、まったくもって卑怯としか言いようのない人間はきらいだ。だって相手に妻がいるのに惚れたのは、桜子なのに。自分から罠にはまって、それをわざわざ相手の妻に言うなんて、ほんとうに卑怯だしフェアじゃない。まぁ恋なんてそんなものかもしれないけども。
麻里江は見ていて気持ちがいい。陶子の依存の仕方も、エミ子のさみしさも、れいこのやるせなさも、理解できすぎていろいろと苦しくなった。求められるのと幸せは、ある意味でイコールだ、と思う。