14 野村美月/"文学少女"と穢名の天使

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

ななせと心葉の距離が一歩近づくシリーズ4作目。
この辺から心葉の成長が顕著になっていく。過去と向き合おうっていう前向きな姿勢が見え隠れしたり、遠子先輩の大切さを実感したり、遠子先輩がいなくても自ら事件に首を突っ込んで行ったり。
夕歌ちゃんが健気で可愛くて、自分の夢にひたすらまっすぐで家族思いでありながら、それゆえに自分のことを追い込んでどんどん追い詰められていく様がもう苦しくて。臣くんは夕歌ちゃんの影響で、ななせを大切に思うようになるけど、でもそれってどうなのかな。心葉がななせを好きになればいいって思うのはいいけれど、ってなるのはこの後の展開を知ってるからなのかな。まりちゃんや粧子さんの過去も複雑に絡んでいて、個人的にはちょっと手を広げすぎた感があるかな。もうちょっとピンポイントで深く深く掘り下げてくれるお話が好きかなーと思いました。