ほんのざっし

本の雑誌 302号

本の雑誌 302号

まんまです。本の雑誌ダヴィンチや文藝とはまた趣向が全然違います。ダヴィンチは作家→本だけど、これは完全に本だけ。書評本になるのかな。こういうの全然読んだことがなくて、卒論の資料探しでたまたまぱらっと。すっごい面白いです。
新刊片っ端から読んで感想!みたいな感じもありつつ、わたしは豊崎さんのがスキなのです。斬ってる。直木賞受賞作にそりゃねーだろーって言ってみたりね。言ってる事がまた的を得てる。わたし豊崎さんは、文藝2007年春号の、恩田陸特集で読んだのが初めてだったんだけど、さばさばしてるというか、言っていることが非常にしゃきしゃきしていて面白いなって思ってたの。間違いなかった。
新刊はとにかく片っ端からなので、恋空とかももちろん取り上げられていてね。それは豊崎さんではないのですが。うーん、たしかに。って思うことも書いてある。たとえばね、今って文芸書売れない時代じゃないですか。でも、ケータイ小説ってやすやすとベストセラーランキングに入るでしょ。携帯で読めるのに女子高生は買っていくっていうのは、やっぱり文芸書市場的にはありがたい、と。そうなのよ、確かに言われてみりゃそうなのよ。目から鱗ケータイ小説なんて!とは思うけど、それで文芸界が賑わうならまた一興じゃない?直木賞とか芥川賞とかにノミネートされたらちょっとカチン、だけど。表現が簡素なんだものー。
若干ネタっぽく書評が書いてあるのもまたイイ。アツくなって否定してるわけじゃなく、まぁ、アリじゃない?的なスタンスは、書評を読んでる側としては面白い。
わたしあんま読んだことないけど、恋空は途中でダウンで、高校生の頃はやったディープラブは最初の描写でアウト。冒頭からセックスシーンみたいな感じなんだけど、表現がね。わたしは美しい文章が好きなの。分かりやすく書けばいいってもんじゃないだろーと思う。もっとどきっとさせる方法はいくらでもある。でも、たぶんわかりやすいからこそヒットするんだろうね。
なにはともあれ、面白い雑誌を発見しました。読み応えも有りそうだし価格も手ごろなので、一冊忍ばせておくと楽しいかも。