88 上橋菜穂子/虚空の旅人

虚空の旅人 (新潮文庫)

虚空の旅人 (新潮文庫)

待ってましたシリーズ四作目!次は来夏文庫化らしく。年1ペースなのかな。全部欲しいから文庫待ってるんだけど、夏休みを使って図書館で借りて全巻読破した上で文庫買い揃えるのもアリだよなぁ。でも引きが強いわけではないので、待てないわけじゃないんだ。それがまた悩ませる(笑)
今回はバルサの出番はなく、チャグムが隣国に招かれてのお話です。もうタルサンがかわいすぎるよね〜〜〜〜何故だかDIVE!の飛沫とカブりました。たくましい海のオトコだからかなぁ。不思議。そうするとチャグムもDIVE!のオトコの子みたいに思えてくるのです。
チャグムの冷静で明晰なのに、人の命が関わると熱っぽくなるその若干の子供らしさと、それを飲み込む一皇太子としての思考が、ものすごいわかりやすく、また共感できていい。シュガも同じく。どこまでも自分の立場をわきまえたうえで、譲れないものをきちんと守る。いいよね、これが強さだって思うよ。タルサンも一緒。身を投げ出してまで部下を守ってあげようとするなんてほんとかっこよすぎる。
最後数十ページ、早く読みたくてしょうがないのに、新幹線で読んでたから時間切れでものっすごいいいとこで読むのやめざるを得なくなってほんとーーーーに苦しかった。
子供が読んでも楽しいだろうけど、やっぱりオトナになればというか、年を重ねれば昔はわからなかったことや・理解できなかったことが理解できていたりするから、また楽しい。大人のファンタジーって言う言葉ってそれはつまり、所謂名作とはまた違う気がしてるわたしだけど、これは名作のファンタジー。だから、子供もオトナもそれぞれの楽しみ方が出来るに違いない。
活字好きでファンタジー・冒険物に興味がないひとは、とりあえず第一作目を最後まで読んでみたらいいと思うな。こんな素敵な物語に触れないで一生を終えるのはもったいないよ?